いくのdeリノベ9月号:「好き」と「やさしさ」の家

今回は、前号の「IKUNO×グローバル」にご登場のフェルナンドさんと、大椿さんご夫妻のお住まい。築30年超の長屋をリノベーションし、住居兼アトリエのほか、ワークショップの開催場所としても活用されています。

生野本通り商店街から脇道に進むと見えてくるお住まい。
大型店舗が多い大通りの近くにありながら、お住まいの近くは、
商店街をはじめとした個人商店が並ぶ懐かしい景色です。


画家であるフェルナンドさんのアトリエをつくるために引っ越したという今の家は、前の住人により一度改修されていて大掛かりな改修の必要がなく、クロスの張替や傷んだ床・畳の交換程度だったそう。「トイレのレトロなタイルとか、扉に貼られた日焼けしたPTAの標語とか。この建物の歴史が分かるところがオモシロイ。」と教えてくれました。



懐かしいタイル張りが何ともかわいいトイレ。
床面の六角タイルが一層レトロさを高めてくれます。



前の住人によって貼られていたというPTA標語
(「いくちゅう」と読めたあなたは正真正銘の生野民です!)



 
玄関から奥へと順に部屋が続く長屋らしい間取り。1階奥にあるキッチン・ダイニングは、長屋の角地の特性を活かした並んだ窓による明るさと風通しの良さが魅力。

日の光が溢れる廊下



キッチン・ダイニングの隣につながるアトリエ。













床の間がある“和風”の部屋と、黒・赤を基調とした“現代的”なフェルナンドさんの作品という、相反する2つが自然に溶け込み、独創的な雰囲気と温かさを感じます。フェルナンドさんは「ここで絵を描いている時間が一番好き。」なのだとか。

アトリエ








「アトリエに対抗して作った(笑)」と案内されたのは、2階の大椿さんが趣味でされる洋裁の部屋。大胆な壁の柄と配色にまず目を奪われますが、収納用品や雑貨、収集した手芸用品・生地も個性的なものばかり。訪れた国々で手に入れたものも多いのだとか。各国独自のデザインが調和した多国籍・多文化な空間は、旅に出たようなワクワクが止まらない。











家の中で好きな場所は?との質問に、「ダイニングの床で、ゴロゴロするのが好きかも。板の質感が好き。」と笑ってくれた大椿さん。「あと、ベランダで食事したりする時間も。」と。お気に入りはご夫婦で過ごす時間のよう。そんな大椿さんをフェルナンドさんは嬉しそうに見守っていました。


お互いの存在を感じつつ、自分の時間を楽しむ。
ちょうど良い距離感のお住まい。










ご夫婦が暮らす家は、お互いの歴史、好きなもの、時間を大切にし、尊重しあう場所。そこには暮す家の歴史まで楽しめる大人のご夫婦のお互いを思う“やさしさ”が詰まっていました。






人気の投稿