「広報いくの」2021年9月号12面 株式会社大都及びGreenSnap株式会社と事業連携協定を締結しました


 令和3年7月13日、生野区役所は(株)大都及びGreenSnap(株)と事業連携協定を結びました。 

 協定締結式当日の様子を一部ご紹介します。


あいさつ

生野区長 山口照美
    本日締結する事業連携協定では、一つはシニアスマートシティを掲げていますが、高齢の方にもまちの楽しさ、暮らしの楽しさを自分で発信するようなきっかけを味わっていただいて、スマホを普及させるねらいがあります。もう一つは、ゆるく穏やかに楽しく生涯現役で暮らせるまちを目指すねらいもあります。2社のお力を借りることで、よりいい形のまちがつくれるんじゃないかと期待しています。

(株)大都 代表取締役 山田岳人(JACK)
 (株)大都は生野区で創業して今年で84年になります。今DIYを軸とした事業を展開しています。DIYは日本ではなぜか「日曜大工」と訳されますが、本来は「自分たちの暮らしを自分たちで作る」という意味です。今コロナ禍で世の中が混とんとした状況で、今後復興していく中で、DIYという言葉も広がっていくと考えています。今回の事業連携協定が色々なチャレンジのきっかけになればいいですね。

GreenSnap(株) 取締役 澤田翼(EARTH)
 GreenSnap(株)は大都とはグループ会社という関係で、今回生野区とご縁ができました。我々は、植物に特化した、スマートフォンをはじめとするSNSのアプリを作っている会社で、現在約250万人のユーザーがいます。特定の地域に着目して、地域の皆様にどのように使っていただけるのかということには我々も関心があるところです。また、SDGsへの関心の高まりにも意識を向けているので、ぜひ生野区の皆様に我々のサービスをご活用いただきながら、一緒に何かやっていけたらと考えています。



(株)大都、GreenSnap(株)ともに、社員一人一人の方がお互いを呼ぶときに使うEnglish Nameをお持ちなので、本ブログ内ではEnglish Nameで表記しています。


 対談 

山口 コロナ禍で、今まで観光や商業施設など、いわば用意されたもので遊ぶということから、家で楽しむようになってきましたが、その変化の実感や、今後こんな風に時間の過ごし方、暮らし方が変わるんじゃないかという予感があればお聞かせください。

JACK 私どもはDIY用品の通信販売をしていますが、インターネット通販の比率が非常に伸びました。DIYはやりたいと思っていてもやったことがない人が圧倒的に多い市場でしたが、コロナ禍で通勤時間がなくなって、時間ができて始める人が増えたという要因があります。もう一つはインターネットで情報を得ることが当たり前になったという要因です。例えば去年から私どもで爆発的に売れた商品があって、それが壁に塗る漆喰(しっくい)なんです。コロナ前から比べると約5倍売れるようになっています。これは一般の方がDIYで家の壁を塗っているということですね。
 時間ができて、やろうと思ったときにインターネットでいくらでも動画があって、説明書を見てもよくわからないものが、誰かが勝手に動画でやりかたを教えてくれている。買おうと思ったらそのままイン
ターネットで買えて、買った人は実際にやっているところ、もしくはできた後をインターネットで公開する。するとそれを見た人がまた動画を見て、買う・・・というサイクルがデジタルの中で起こっています。
 デジタルコンテンツを使って、どう生活を豊かにしていくか、という風に暮らし方が大きく変化していると感じています。


山口 漆喰(しっくい)の話は印象的ですね。動画があるから始めようと思ったときにすぐ始められる、ということをぜひ高齢の方にも知ってほしいです。やってみたくなる、公開したくなる、楽しくなる、というデジタルを使ってリアルの生活を豊かにする流れを一度体験してもらいたいですね。EARTHさんはいかがですか。

EARTH もともと日本の園芸は年配の方の比率が高かったんです。年配の方がスマホを持つようになってきて、今まで調べ物は本屋へ行って調べていたのが、インターネットで調べられるようになっているので、その辺りをうまくお手伝いできればと思っています。情報収集だけでなく、植物周りのことがなんでもできるように、SNSを見ていいなと思った物をその場で買えて、育て方がわからなかったらすぐアプリで調べられる、というところまで一連の流れで提供できるような仕組みを整えることに力を入れています。 また、コロナ禍で園芸を始める若い方がすごく増えてきたので、世代間でのコミュニケーションが取りやすい状況になってきていると感じています。

山口 シニアスマートシティを進める上でねらっていることがあって、それが多世代交流です。GreenSnapでいうと、これまで若い人が年配の人に植物の育て方を聞くような機会はほとんどなかったと思いますが、同じアプリを使っていたら、そのきっかけができますよね。生野区は高齢化の進むまちなので、高齢の方ができるだけ元気で、まちの中で楽しんで暮らしてほしいし、若い世代がそこに関わって、こんな風に歳をとれるまちっていいなと思ってもらいたいです。

EARTH 我々の親世代は庭いじりでかなり園芸をしている世代で、最近になって「うちの母はこんなに植物に詳しいんだ」と気付くこともありました。GreenSnapを通じて、身近な世代間交流も楽しんでもらえたらと思います。

山口 SDGsの話も出ましたが、こんな未来を手渡したいということがあればお聞かせください。

EARTH GreenSnapは業界内外から環境への関心が高い会社だと見られていて、SDGsに関する取組の相談をいただくことがあります。植物の分野では絶滅危惧種などのこともありますが、社員は15人しか
いないので、ただの「ネット上の読み物」ではなく、「コミュニティ」として機能しているというSNSの強みを活かして、250万ユーザーの思いやアイデアを企業などに繋いでいくことで、未来へ貢献できるのではないかと思っています。


JACK SDGsやるぞ、と言ってやるのは少し違うと感じていまして、私どもはDIYをブームじゃなくて文化にしていくという役割を果たしていって、それが気付けばSDGsに繋がっているというのが自然な取組なんじゃないか、スタッフが誇りに思える事業を作るのが結果SDGsなんじゃないかと思っています。

山口 コロナ禍で、これまでになく「暮らし方」について考える時間が与えられて、その価値を再発見するきっかけになっています。この時期にご縁があって、連携協定で一緒にやっていくことが、コロナ禍を乗り越えて、また新たなコミュニティの在り方や暮らしの価値に繋がっていくのではと思っています。これからどうぞよろしくお願いします。


関連リンク
株式会社大都
GreenSnap株式会社
令和3年7月13日 事業連携協定締結式の様子

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