IKUNO×グローバル 8月号 カタルーニャ(スペイン)

Fernando Selvaggio Lopez(フェルナンド・セルバジオ・ロペス)さん

Fernando Selvaggio Lopez(フェルナンド・セルバジオ・ロペス)さん
カタルーニャ出身(スペイン)。画家。昨年6月国際結婚のため、故郷のバルセロナから生野へ。昨年10月からはリノベーションした長屋に移り住み、アトリエで作品を描く傍ら、カタルーニャ料理を友達と囲むなど、ご夫婦で生野暮らしを楽しんでいる。

お会いした時の印象は、「あれ、イメージしていた方と、なんだか違う?」だった。
陽気で、お祭り好きで・・・そんな自分の中の勝手なイメージと先入観が恥ずかしい。
彼から感じるのは、穏やかさ、やさしさ、誠実さだ。
とても丁寧に、そして笑顔で質問に答えてくれ、インタビューは、終始、なんだかほっこりしたやさしい空気の中、進んでいった。

―絵はいつから?

こどもの頃から大好きで、絵ばかり描いていました。アートアカデミーや大学で学んだあと、一度はシステムエンジニアとして勤めましたが「自分が本当にしたいことは何か」を考えて「やっぱり絵を描きたい」と思い、2006年から絵を描くことを中心に活動しています。イタリアでは美術館で作品を展示し、賞ももらったんですよ。


そう言って見せてくれた彼の作品は、抽象的でデザイン的。そして繊細なのに大胆だ。
床の間がある“和風”のアトリエには、そんな黒・赤を基調とした“現代的”な彼の作品が数多く飾られている。その空間は、相反する2つが自然に溶け込み、独創的な雰囲気と温かさを感じさせてくれる。









「こんなのもありますよ。かわいいでしょ?こういうのも好きなんだ」と、少年のような笑顔で見せてくれたのは、窓際に並んでいる妖怪のようなキャラクターの木彫りのオブジェ。
スケッチブックにはキャラクター達のデッサンやイラストがたくさん描かれている。
さっきまでの作品とはがらりと雰囲気がちがう。





大人を魅了する都会的で現代的なクールな作品と、こども達の心を鷲づかみしそうな、見ると楽しくなるかわいいキャラクター。そんなふり幅の大きな作品を作る彼は「絵は、人生にどうしても必要なものじゃないけれど、人生をより豊かにするスパイスなんだ」と優しく笑う。

「僕の父さんはアンティークショップをやっていて、おじいさん、ひいおじいさんはマジシャンだったんだよ」と教えてくれた。
なるほど、彼の家系はずっと、“誰かの人生をより豊かにしてきた家族”なのだ。

そんな素敵な家系の彼が、これから生野のまちで、作品や彼自身を通して、いろんな人の人生を豊かにしていってくれるんだ、と素敵な想像が止まらなくなってしまう。

マジシャンだったひいおじいさんとおじいさん
ひいおじいさん

―住んでみて生野のまちの印象は?


生野のまちが大好きです。なんだか懐かしくて。生まれ育ったバルセロナでは、こどもの頃、ご近所さんが気軽に声をかけあっていました。通りのお店では、買い物がてら会話を楽しんだり。夕方には家の軒先でゆっくりして、行き交う人と声をかけあったり。そんな40年前のバルセロナのまちに、生野のまちは似ていると思います。懐かしさを感じる町並みと、ちょうどいい距離感のまちの人たちが、僕にとっては居心地がよく、とても住みやすいんです。今のバルセロナのまちは、梅田みたいに大都会。都会は便利でいいけれど、僕は当時の故郷を思い出す生野のまちと人が大好きです。


「生野のまちの風景だよ」と見せてくれたのは、生野のまちのスケッチだった。
やっぱりなんだかほっこりする風景だ。




最後に日本の食べもので何が一番好きですか?との問いに「どらやき!」と満面の笑顔で答えてくれ、インタビューを終えた。意外にも甘党である。

フェルナンドさんから教わったカタルーニャ料理
「フィデウア」の作り方もブログでご紹介しております。
ぜひあわせてご覧ください。

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