いくのdeリノベ3月号:“真っ直ぐな思い”とともにある場所


この通りで多く目に映るのは、空き家や工場の跡。
かつては町工場がひしめき合い、行き交う人たちで活気があったことがうかがえる。東中川地区の一角。平野川にほど近い細い路地にある長屋の一番奥に、高山さんのお住まいはあります。
グレーのシックな外観と広いベランダ、大きなガラス戸の玄関が印象的です。


玄関のドアを開けると明るい土間が目に入ります。
1階を中心にしたリノベーション。玄関の扉を入ってすぐの部屋は、床をはがしコンクリート敷きの土間に。
そこに、キッチンを備え、東向きの窓から入る光が、気持ち良い空間にしてくれています。土間から一段あがったところには、高山さんがヨガ教室として使用されているスペースが広がっています。音や振動を気にしなくてもいいようにと、隣家との間の壁には防音壁を、床材には、人が跳ねても響きにくい体育館と同じ素材のものを取り付けたのだそう。さらに、お風呂がなかったので、部屋の一番奥にはにシャワールームを設けました。
キッチンには光が注ぎ、とても明るいです。
1階奥の「ヨガスペース」。ピンク色の壁とハンモックが統一感があります。

5年間ヨガのインストラクターとして働いていた高山さんは、ここでヨガのレッスンをされています。
ヨガスペースの壁は柔らかなピンク色。ヨガで使用するハンモックもピンク色。「ピンクは胎内と同じ色なんです。母親のお腹の中で見ていた、本能的に落ち着く色だと知り、安らぐ環境でヨガをしてもらいたくて、この色にしました。」と教えてくれました。


 
一度改装はされていたものの、築80年のこの家を見たとき、「5年も空き家だったのに、昨日まで人が住んでいたかのように手入れがされていて、なんだか温かいものを感じて、人を癒す場にぴったりと思った」のだそう。




今のお住まいと出会われたきっかけは、区内で開催されている“空き家カフェ”への参加。学生時代のひきこもりや、転職を繰り返してきたご自身の過去の経験から、“ヨガで人を癒したい”そんな気持ちが強くなってきたころ、知人から空き家カフェを紹介されたそう。高山さんの夢に共感した、カフェに集まる専門家たちや大家さんをはじめ、多くの人の支えがあったから今の場所があると言います。


心や脳、体に関することを10年以上かけて学び、本当の自分を探すように生きてきた高山さん。「今後は、誰にも相談できずに悩んでいるこどもたちや、発達障がいで生きづらさを感じている人たちをヨガでサポートしたい」と話されるお姿からは、優しさと真っ直ぐな生き方が感じられます。

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