いくのdeリノベ12月号 知れば知るほど見えてくる  “こだわり”と“丁寧”がいっぱいのカフェ

カフェを経営するサンフェイスグループ代表の久田亮平(ひさだりょうへい)さん。

 そこは南巽駅からすぐ、車の行き交う大通りから一歩入った場所。キラキラと輝く緑の葉の屋根の下をくぐって入る店内は、どこか南国の雰囲気が漂っている。このカフェの名は「ビスク」。

店内には、葉っぱからこぼれる柔らかな光が差し込んでいる。

お店の外観。

 カフェを経営する久田さんは、11年前、純喫茶だった店内を友人たちとリノベーションした。ボコボコとした壁に赤茶色のペンキを塗ると、さながら土壁のように。窓枠やドアにはアンティーク加工を施(ほどこ)し、四角いタイルをはがした床には、模様のようにコンクリートに糊(のり)の跡が残った。革張りのイスはネイティブアメリカンラグの生地に張り替え、いくつもの色板(いろいた)が組み合わされたテーブルの天板は、一つ一つ色を選んでオーダーした。道路からドアまでをつなぐのは線路の枕木(まくらぎ)だ。木漏れ日が心地よく降り注ぎ、まるで隠れ家のようだ。椅子に腰かけた瞬間に感じる心地よさは、それら全てが調和しているからなのだろう。 

カウンター席のチェアマットは靴下のハギレから作られたもの。カフェで販売もされている。様々な色パターンを選ぶのも楽しい。

 カフェで提供されている食材にもこだわりがある。自然いっぱいの中で平飼(ひらが)いされたにわとりの卵、トマトソースやパン、ベーコン、ソーセージにいたるまで、全国各地から大事に作られたものを取り寄せている。また、店内で販売する雑貨や焼き菓子も、手仕事で丁寧につくられたこだわりのものばかり。

人気のハンバーガー。
パテは自家製。バンズは、パテに合うように特別につくられたもの。
素材の味がしっかりと味わえて、食べ応えのある一品。

久田さんの大好物がたくさん詰まったBOSSバーガー!
ハッシュドポテトとパテ、レタス、たっぷりのタルタルソースででボリューム満点。

女性に大人気のエビアボカドサンド。

ナンプラーで炒めた鶏ミンチのガパオライス。

ごはんメニューのほか、手作りケーキやパフェもあり、カフェ利用もできる。

 「良いモノなのに、あまり知られていないモノが世の中にはたくさんある。そういったモノにきちんと光を当てられるような場所を作っていきたい。」と久田さんは話す。気さくなスタッフさんからもビスクのストーリーをまだまだ聞いてみたくなる、そんな店だ。


 住所 巽東2-18-23 
 電話 06-6756-7878


サンフェイスグループについて

 サンフェイスグループは、ヘルパー事業や子ども対象としたデイサービスの運営、福祉作業所とアパレルブランド等を繋いだ商品開発など、幅広い事業を通じて障がい者支援を行っておられます。

五つの志

・障がい者・児のその家族が「この子のおかげで…」と感じられる社会作り。
・障がいのある人たちが障がいを理由に物事をあきらめずに取り組めるようなイベント作り。 
・障がいのある人たちに対する間違った偏見を無くす。 障がい者が居て成り立つ社会。
・本当の意味での“ノーマライゼーション”を目指す。
・障がいがあっても「夢」や「生きがい」を感じる事の出来る社会作り。
この「五つの志」は、サンフェイスグループの事業の基盤となる基本理念です。 


ここでは、たくさんある事業から一部をご紹介します。 

Cafe&Goods B.S.C(ビスク)

 今回取材させてもらったお店です。
 障がいのある人たちが働く「福祉作業所」で作られたアイテムを、できるだけ多くの人に知ってもらえる場をつくりたいと思い立ち上げられた、カフェと雑貨のお店です。 良いモノを作っている作業所や施設は本当にたくさんあるのに、売り方や見せ方が上手くなかったり、埋もれてしまっているモノがたくさんあるのが現状だそうです。そういったモノにきちんと光を当てられるような場所を作っていきたいとの思いから、販売している雑貨や焼き菓子だけでなく、カフェで提供する食材や食器にも、福祉作業所で作られた良いモノがたくさん使われています。
お店で販売されている食器やトートバッグ。
良いモノを更にかっこよく、かわいく、そして見やすくティスプレイすることを心がけられている。

これは人気の「しおラスク」!
大阪の福祉作業所で作られたふわふわモチモチの手作りパンと、和歌山の福祉事務所で天然の海水を窯で煮詰めて作られる塩屋の天塩を贅沢に使ったもの。サクッとした食感と“あまじょっぱい”絶妙な味付けが一度食べたらヤミツキ!

B.S.C RAINBOW WORKS

 福祉作業所の技術を使い、一つ一つの商品の暖かさ、一点ものや小ロットの良さや価値を見出せるようなプロダクトの商品開発プロジェクトです。ビスクでも、このプロジェクトの商品が一部販売されています。 全国100か所以上の福祉作業所を久田さん自らでまわり、その作業所の技術を欲しいと思っているブランドやアーティストなどと繋げる活動を日々精力的に行っているそうです。今や、有名セレクトショップやアウトドアブランド、フィッシングブランドとのコラボも実現しているのだとか。
 “福祉作業所で作られた”ということを売りにせず、商品のクオリティ、純粋に欲しいと思えるような商品を作り出し、販売するシステムを考え、たくさんの人の手に渡ることで、世間の「障がい者」や「福祉」に対するイメージを変え、当たり前に共に暮らせる世の中にしていきたいと久田さんは話します。 

NEW CURRENT WORKS 

バスフィッシングをテーマにしたサンフェイスのオリジナルブランド。“KEEP THE FAITH”(信念と貫け)をモットーに、釣り業界と福祉業界を繋ぎ、共にメリットのあるモノづくりをおこなっている。 オリジナルのラインナップからアウトドアブランドや他のフィッシングブランドとコラボした商品、フィッシングブランドのOEM生産などもおこなっています。もちろんここにも福祉作業所の技術が生きています!商品はウェブサイトから購入できます。 
釣り以外の場面でもお洒落に使えるグッズがたくさん!
商品はウェブサイトから購入できます。

きょうだいの会

 障がい者・児が家族やきょうだいにいる子ども達の会です。 きょうだいや家族の“障がい”について壁にぶつかった時、同じ境遇の友だちが近くにいると、とても心強いものです。アウトドアを中心に色々な所へ遊びにいき、子ども達が自然と仲良くなれるようなプログラムなのだとか。

 久田さん自身にも障がいを持つ2人の妹がおり、子どもの頃は悔しい思いや、辛い思いもあったけど、それ以上にたくさんの喜びや出会いがあったと言います。でも、友だちに話しても、「可哀そう」「大変」というような、自分の気持ちにしっくりこない返答ばかりで、モヤモヤすることが多かったそうです。良いことも悪いことも、様々な感情に挟まれがちな「きょうだい」にこそ、その経験を共有できる環境が必要だと感じ、「きょうだいの会」のプログラムが始められました。 

小・中学校訪問授業プログラム

 2011年から本格的に活動している訪問授業。大阪府内の小・中学校へ月4~5回のペースで訪問し授業が行われています。発達障がいについての理解を深めることはもちろん、障がいの有無関係なく、“相手の気持ちになって考えることが大切”ということを学んでもらえるようなプログラム内容になっているとのこと。そして、障がいのある自分のきょうだいのことをプラスに思えるようにと考えられているそうです。 授業を行った学校からは、「こどもたち同士の声かけが変わった!」と人気で、毎年申込みをする学校も多いそうです。

この他にも、いろいろなことをされています! 

●特定非営利活動法人サンフェイスの事業


●株式会社サンフェイスの事業




興味を持った方は、HPもチェック!!
サンフェイスグループHP http://www.sunface.or.jp/index2.php

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