いくのdeリノベ10月号 商店街 × シェアハウス 若き3人の挑戦

左から、辻さん、小谷さん、山本さん。小谷さんの父親が経営する「有限会社三和工業」で生まれた建築部門“ちいさな建築研究所”に3人は所属している。

 JR寺田町駅から徒歩10分、生野銀座商店街の中ほどにある、今年3月にオープンしたばかりのシェアハウス「MASH(マッシュ)」。3階建ての長屋を購入し、2・3階を住居スペースにリノベーションした。商店街から繋がる1階部分は、今後イベントスペースを作る予定だという。 
 「MASH」を運営するのは、同じ大学で建築デザインをともに学んできた若き3人。大学院でもシェアハウスの可能性について研究してきたという小谷さん(写真中央)は、幼いころから生野のまちで育ち、この商店街での思い出も多い。
 3人が考えたのは、商店街の空き店舗をシェアハウスとして活用すること。シェアハウスの住人同士の交流だけでなく、住人以外のまちの人たちとの交流によって、商店街やまちの活性化のきっかけになるのではないかとの思いから。


商店街の裏手にまわると入口がある。

アイアンの表札。
ロゴのデザインは3人で考えたそう。

MASHの建築模型も見せてくれました。

  もともとあった壁や天井をめくり、剥(む)き出しとなった赤錆塗装(あかさびとそう)の鉄骨やコンクリートブロック。それらを生かすように、壁に張られた昔ながらのラワン合板(ごうばん)。シンプルで直線的なアイアンと木を組み合わせたテーブルやベンチ。間接照明やペンダントライトなど様々な光によって、あたたかで柔らかな空間がデザインされている。ここで暮らす人たちの会話も自然と広がる。壁一面のガラス窓からは、いつも商店街を近くに感じることができる。

2階の明るく清潔感あふれるキッチン

天井をめくって出てきた鉄骨の赤錆色がアクセント。

3人がデザインしたアイアン家具は三和工業で作ったオリジナル!
鉄鋼を扱う会社ならでは。

3階の共有スペース。
静かに勉強や読書ができそうだ。

3階の個室。
壁は色の違う合板が大胆に配置されている。

スタイリッシュな洗面台。

 「シェアハウスを選ぶ人は、留学生や、いろいろな経歴をもった方など、“オモシロイ”人が多い。」と話す小谷さん。今はコロナウイルスの影響で人が集まることがなかなか難しいが、ゆくゆくは1階のイベントスペースを使って、住人とまちの人たちとの交流の仕掛けを作っていけたらと話す。
 ありそうでなかった、シェアハウスと商店街の組み合わせ。3人の挑戦は始まったばかりだ。

2階のリビングは住人の憩いの場。
自然と会話が生まれる。

住人同士でゲームをすることも。
シェアハウスならではの光景だ。

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