いくのdeリノベ12月号 美味しい本格フレンチを商店街で
美穂さん(左)と修二さん(右)
店の前にて。
真っ白な壁と木のドアや窓枠が、
訪れる人の世代を問わないナチュラルな印象を与える。
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桃谷駅からわずか5分のところにある「ポキナ369(さんろくきゅう)」。
今年9月20日にオープンしたばかりの本格的なフレンチが味わえる店だ。
シェフである田中修二さんは、心斎橋の有名フランス料理店で10年以上料理長として腕を振るってきた経歴を持つ。調理師の資格を持つ妻の美穂さんも、同じ心斎橋の店でデザートに携わってきた。今の店で、デザートと食事パンを担っているのは美穂さんだ。
試作を重ねて完成させた自家製パン
焼き上がりはこんな感じ♪
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パンは焼きたてがサーブされる。 |
美穂さんが作るデザートは盛り付けも美しい。 |
当初は商店街に店を構えることは考えていなかったが、たまたま知人を通して紹介してもらった築80年を超える物件。足を踏み入れた時、目に飛び込んできた天井の黒い梁。その存在感に圧倒され心が動いた。
高い天井、黒い梁が決め手となった。 |
8月から工事を開始し、急ピッチで作業が進められた。 |
日々出来上がっていくお店。
商店街を通るお客さんの期待も高まる。 |
この物件にかつて住んでいた方も
噂をききつけて来店し、
"素敵に生まれ変わった"と喜んでもらえたと
教えてくれたご夫妻。 |
自宅からも徒歩圏内であることも魅力的だった。小学生になる二人のこどもがいるご夫妻には、家族との時間を大切にしたい思いがあった。
店名・ロゴマークは家族みんなのアイデアから 生まれたのだそう。 店名は息子さんが思いついた“ポキナ”というワードに 修二さんの好きな数字“369”を組み合わせた。 ロゴマークは娘さんが考えたデザインに 美穂さん手書きの文字が加わった。 |
ランチではワンコインで ワイン&ビールが楽しめるそう。 |
店舗仕様ではなかったため、リノベーションは大掛かりなものに。床にはコンクリートを敷き、機能的な厨房を備えた。白壁と無垢(むく)の木を基調とする店内に、一面だけの青壁と高い天井にかかる黒い梁が、引き締まった空間を作り上げている。美穂さん自ら蜜蝋(みつろう)で仕上げたという3メートルにもなる杉板のカウンターを、ペンダントライトが雰囲気たっぷりに照らしている。
階段から覗いた臨場感溢れるキッチン。 |
温かみのある光は 和やかな食事の時間を演出してくれる。 |
商店街からも目を惹くガラス窓。 中の雰囲気はうかがえるが、 食事中のお客さんと目が合わないように 配慮されている。 今はほとんど作られていない昭和の時代の レトロなガラスを再利用し、 組み合わせ作ったもの。 |
2階に続く階段には両脇に手すりを付けた。
こどもやご年配の方、 また、お酒を飲んだ方にもやさしい設計。 |
傷んだところは補修済みだが、 2階はまだまだリノベーション途中。 こども連れのお客さんにも ゆったり過ごせる場所にしたいのだそう。 |
フレンチというと敷居が高く聞こえるかもしれない。しかし、「銭湯あがりに寄ってくれるお客さんもいるんです。生野らしくてなんだかいいなって思うんです。肩肘はらずに来てほしい。」と、生野区で生まれ育った修二さんは笑顔で話す。故郷は遠く鳥取の美穂さんも、「ここに住んで10年になるけれど、ほんとに居心地がよくて、これからもずっと住み続けたいまち。」と語る。
「今後は、ワインに合うハムやテリーヌなどテイクアウトできるデリの販売や、フレンチに親しんでもらえるような子ども向けのイベントをしたい」と夢は尽きない。生野を愛する二人だからこそ、身近なフレンチとして地元で愛される店になっていくのだろう。
素材の味が活かされ、丁寧に作られた
修二さんの料理が味わえます。 ジビエ会も開催されているので 興味のある方はお問合せください~! |
お店の将来を語るおふたりの笑顔は 輝いていました。 |