いくのdeリノベ6月号:第二の人生は“かわいい”長屋とともに。




 


生野本通り商店街にほど近く、疎開道路から西に延びる路地をのぞけば、お店の看板が見えます。
 生野西にある築85年の二階建て。祖父から店主の山田康夫(やすお)さんへと受け継がれた長屋を、お店として改装されました。
    コンセプトは“明るい・清潔・かわいい”。
 外観は、前面を白い木製フェンスで覆うことで、歴史を感じさせる和風の家のイメージをガラリと変え、店内は、白やオレンジの壁が明るさを演出しています。使えるものはなるべくそのままに、模様の入ったすりガラスなど、よく見ると昔ながらのものが。
作業場の中心にある柱もそのひとつ。「これが最初は邪魔でね。でもだんだん慣れてきて。これはこれで面白くなってきました。」と笑顔で話す妻の時代(ときよ)さん。

白とオレンジが印象的で清潔感のある店内。
商品である「おい塩ドーナッツ」誕生のきっかけは、ご友人が作る、尾鷲の塩との出会いでした。「このうまみのある塩で、卵アレルギーのある孫のおやつを作りたいと思ったんです。フランスパンの生地は卵を使わないことを知って、その生地でドーナッツを作ってみたら、おいしくできました。」と康夫さん。
 定年後に、このドーナッツの販売を思い立ちます。商品化のために、各地を食べ歩き、試行錯誤を重ねました。ちいさなお子さんにも食べさせられるようにと、安心安全な食材にこだわり、シンプルな材料だからこそ味も大切に。たどり着いたのは、甘さ控えめで食事にもなる、“やさしい”おやつでした。


発酵でふくらんだ生地に穴を開けていきます。
ひっくり返しながら、きつね色になるまでじっくり揚げます。

日替わりで3種類のドーナッツを作ります。
時代さんがお店番、康夫さんが移動販売車で生野区外にも届けます。

10年目を迎えたお店。三世代受け継がれた建物は、リノベーションされ「かわいい」と言ってもらえるようになりました。お店の前の道は、かつて商店街だったそうです。にぎやかだった街並みに思いを馳(は)せる康夫さん。お店であるこの場所に通ううちに、まちづくりへの関心が生まれ、現在は“空き家カフェ”にも参加されています。「住んでいる人が町の人と関わりを持って活動していけば、輪が広がり、町も活性化され、成長していくと思うんです。」と康夫さん。
 生まれ変わったこの場所で、今日も朝からご夫妻のドーナッツ作りが始まります。







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