いくのdeリノベ5月号:笑顔が集う“5坪”の隠れ家


  区内北西に位置する桃谷地区。家と家に挟まれた細い石畳の路地の奥、思わず通り過ぎそうになる場所に「立ち呑み 桃谷きよはら」さんはあります。広さ5坪の小さな店はオープンから2年目を迎えました。
 民家にしか見えない外観。

   日が落ちると、アプローチの石畳が赤いライトで照らされ、お店のシンボルマークが浮かび上がります。

「鳥」の文字は花鳥風月から。

 奥まった立地ですが、「こんなところに店があれば面白い!」と、店主の清原さんはあえて選びました。築60年以上の2階建ての民家を、約2か月かけてリノベーション。
電気、ガスなどの工事以外は、すべて清原さんが手掛けました。
 「手さぐりで始め、動画で調べながらのリノベーションは慣れてきたころに終わりました。」と笑う清原さん。

 1階の床板をはがすと出てきた土間のコンクリートはそのままに。厨房を設け、壁にはからし色のしっくいを塗りました。お気に入りは丁度いい高さにこだわったカウンター。手間がかかった分、愛着があります。


見上げると2階の柱や梁が。壁もむき出しになっています。
床も取り払われて広い空間に。
  
 和室・台所があった2階は、階段や床を取り払い、梁や柱だけを残しました。吹き抜けになったことで、店全体に開放感が生まれました。「コストを抑えることを第一に考えた」という清原さんですが、センスが光る仕上がりです。
 昔ながらの引き戸を開ければ、目に飛び込んでくる木の空間。
壁をはがし、板を貼ったことや、インテリアのワイン木箱で、洋風に様変わりした店内は、外観からは想像することができません。黒板には、清原さんのやわらかな文字で、こだわりの手作りメニューが書かれています。

定番メニューがびっしり!

手洗い場も清原さんの手作りです。
 
 店内のアクセントになっている洗面所の赤いのれんには「段差あります↓」の心遣いが。

実は、一番コストがかかった(!)
という赤いのれん。



 清原さんの手作り料理。
妥協のないこだわりのものばかり。


 一人で切り盛りする5坪の店は、自然に店主やお客さん同士の距離が縮まり、会話が弾みます。「お客さんに支えてもらっています。下町の空気感が好き。生野でずっとやっていきたい。」と話す清原さん。
 今日も店には、人が立ち寄り、笑顔が集います。

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