新生野中学校での食育授業をレポート!~「いわしのつみれ汁」と「出し巻き卵」に挑戦!~

新生野中学校での食生活改善推進員協議会(※)さんによる食育授業におじゃましてきました。
たくさんの推進員さんが生徒の調理補助のために集まってくれましたよ。
おそろいの服とエプロンで生徒たちと挨拶をする推進員のみなさん



生徒たちは前に集まり、推進員さんたちの話を聞きます。まずは、推進員の西野さんが「食は元気の素(もと)!」と元気よく、生徒に食べることの大切さを伝えます。明るい笑顔の西野さんに、生徒たちも集中して話を聞いています。




今日の実習のメニューは、「いわしのつみれ汁」と「だし巻き卵」。
若い世代では、「魚離れ」が進んでいることから、推進員さんの「魚に親しんでもらいたい!」との思いから、いわしを使うことを決めたそう。


実習に入る前に「さばの三枚おろし」の実演!ここにも推進員さんたちの「魚の扱い方を知ってもらいたい」そんな思いが込められています。
推進員の木下さんが、ザク、ザク、と迷いなくさばに包丁を入れていきます。

慣れた手つきで、さばの内臓を取り出すと、「きゃーっ」と生徒から声が上がります。木下さんが「きゃー言わんといて~」と笑いながらさばを洗います。
生徒たちは、さばを扱う木下さんの手元に興味津々。


木下さん(左)と西野さん(右)



一尾のさばが、あっという間に三枚に。
「スーパーで見かけるやつ!」と男子生徒の大きな声に、どっと笑いが起きます。




次にいわしの手開きの実演。エラの下に指を入れて頭をポキッとおり、手の指でいわしのお腹を割き、手際よく、はらわたを取り出す木下さん。
あっという間に「いわしの開き」のできあがりです。





「はい、次はだしの取り方をお見せしまーす」と西野さん。

「昆布とかつお節でとりますよ。昆布は今朝から水につけてるんですよ。」と、昆布の入った鍋に火にかけます。「ふつふつとしてきたら昆布を取り出しまーす。昆布は沸騰させると出しに雑味が出ておいしくなくなるから、グツグツ煮ないでね~。」と知識を織り込みながら水分をたっぷり含んだ昆布取り出します。

「はい、ここに、かつお節を入れますよ。」と言うと同時に、ひとつかみのカツオ節が一気に鍋に放り込まれます。「そして、すぐに火を消します。」とカチッとつまみを回すと、カツオ節が鍋の底へと沈んでいきます。沈み切ったところで、キッチンペーパーでこし、別の鍋へと移します。


だしをとる西野さん。男子生徒も見入っています。


きれいに澄み切った黄金色のだしが出来上がりました。「いいにおいでしょ~」の言葉とともに、だしのおいしそうな香りが漂ってきます。「家でもぜひ試してみてくださいね。」と西野さん。

「さあ、では各班に分かれて実習をはじめましょう!みなさんのテーブルには、私たちが今朝とっただしが鍋に入れて置いてありますので、つみれ汁にそれをつかってくださいね。」との号令で、生徒たちは自分たちのテーブルに散っていきます。
一斉に実習が始まりました。

それぞれのテーブルに推進員さんが付いて手順などのサポートをしてくれます。
いわしの手開きからスタート。生のいわしを触った手を匂って「くさーっ」。




コツをつかんで手早く何匹も開く生徒も。開いたいわしは新聞紙の上に。
「おれ5匹も開いたで。」得意げな顔。
「親のありがたみがわかります。」と話す生徒も。



生徒たちは黙々といわしの手開きをがんばっています。



開いたいわしを包丁でトントン叩いて、叩いて、リズムに乗って。
「沸騰しただしに入れるんよ。」細かくしたいわしに生姜や醤油など調味料を入れる生徒、スプーンで丸くする生徒、見事な連携プレーで、つみれはどんどん鍋の中へ。沈んでいたつみれが浮いてきたら出来上がり。
「いわし団子に、調味料を入れ忘れた!」と、鍋に入れる前に気づいて胸をなでおろす班も。

沸騰しただしにつみれを入れていきます。
スプーンを上手に使って団子にしていますよね。

ちょうどいい火加減がわからない!卵がこげてスクランブルエッグに変わりそう!端によせて卵液を流し入れて、また巻いて。



それでもまたこげてしまったら推進員さんが手を貸してくれます。

最後は“巻きす”を使って形を整えてだし巻き卵の完成!
おいしそうに出来上がって、生徒たちもほっとした表情。

推進員さんに教えてもらって“飾り切り”にも挑戦する生徒たち。パズルでも組み立てるかのよう。端っこをつまみ食いして「うまっ!」と声をあげる男子生徒。


いわしのつみれ汁と出し巻き卵、両方ができあがった班もちらほらでてきました。
手があいた生徒は洗い物をしたり、片づけたり、テーブルセッティングもしていきます。
それぞれが今何をしたらいいのか考え行動しています。




さあ、そろそろ出来あがった班から食べ始めます。

おろしたしょうが、猫の形の手で切った白ねぎをのせたつみれ汁はおいしそうに湯気をあげています。「白髪(しらが)ねぎって言うんやよ。」と推進員さん。初めて聞く言葉に「へえ~」と生徒。

「おいしい!」と笑顔が出る生徒も、つみれ汁を神妙な面もちで食べている生徒も。

全員完食し、それぞれから自然と「ごちそうさま」の声が出ます。
班のみんなで協力して、自分たちで作り上げた料理は、特別な味がしたのではないでしょうか。


最後に、代表の生徒から推進員さんに「これからも今日の経験を活かしてがんばります」とお礼の言葉が述べられました。

実習の最初に「心をこめて、おいしく楽しく作る」という推進員さんの言葉がありましたが、生徒のみなさんは、それをしっかり実践してくれていました。



追記
この日は、区役所の栄養士も参加して、生徒のみなさんに「朝ごはん」の大切さを伝えました。「食育」の今年のテーマは「朝ごはんを食べよう」なんです。
栄養士が「朝ごはんは食べてきましたか~?」と聞くと、生徒から「は~い」と手があがりました。みなさん、こんなに元気がいいのは、しっかり朝ごはんを食べてきているからなんですね。
=「朝ごはん」の効果=
①肥満予防
②体温が上昇し体が目覚める
③排便のリズムができる
④脳にエネルギーが供給され集中力アップ

※食推協さん…生野区食生活改善推進員協議会(食育や区民の生活習慣病予防を目的に、普及活動されている団体)のボランティアの方。全員区役所で実施する食育ボランティア養成講座を修了された方です。食推協さんは日々、男性料理教室、親子料理教室、キッズクッキングなど、様々な場所で活動されています。

※食育出前授業…生野区では区役所の栄養士が食育出前授業を希望された中学校を訪れて、「食生活~体も心も元気な毎日のために~」をテーマにした講座を行っています。
次年度も実施を予定しています。 

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