いくのdeリノベ7月号:“ありのまま”で居れる場所


桃谷駅からすぐの裏道に佇む「和カフェ」。付近は人通りが多いものの、駅前の雑踏とは異なり、ゆっくりとした時間が流れる空間。
第3回目となる今回は、長屋をリノベーションし“夢”だったカフェ経営を実現された橋詰さんのお店。




長屋の1階部分を借り受け、カフェとしてはもちろん地域コミュニティの場として利用されています。


下町のほのぼのとした空気に溶け込むように
橋詰さんのお店はあります。


建物自体は「店舗付き住宅」として、1階部分と2階部分を、オーナーとシェア。
1階を橋詰さんの店舗、2階をオーナーの住居としています。


店内は、木材の持つ天然の柔らかい質感を
存分に活かし、“温もり”が溢れます。


家の購入を考えていたオーナーと、カフェ用の物件を探していた橋詰さん。
だったら一緒に叶えられないかな…と生まれたのがシェアの話なのだそう。
お互いが望む暮らしのために、それぞれが希望した条件が合致したこと、加えて、費用面で両者にメリットがあったことから選んだという、このカタチ。

合理的で理想的な選択です。




元々の物件は築50年超えの長屋で、かつて工務店事務所だったもの。台所等の水回りを中心部に移したほかは、入口や窓も原型をほぼそのまま活用していると聞きますが、事務所だった面影は感じません。





“木”が持つ独特の質感が好きだという橋詰さん。お店の施工を依頼する工務店を選ぶ際も、木材に対する愛情の深さを決め手にしたそうです。

橋詰さんご自身の手でオイル拭きされている床


木材のダークブラウンを基調に、差し色の赤い小物と、味のある骨董が並ぶ店内。
入ってすぐ出迎える“座敷席”は、カフェというより帰省したような“くつろぎ”があります。


もともと骨董が好きだったという橋詰さん
いつか開くカフェのために集めていたと話します


店内に並ぶ味のある骨董たち

「生野区には以前から住んでいましたが、お店を始めて新しい地域で新しい出会いがあった。人情味溢れるところも、下町情緒たっぷりな街並みも素敵」嬉しそうに話してくれる橋詰さんは、お店の切り盛りを一人でこなし、地域活動にも積極的。その活力源は強い思いからのよう。
「カフェという場は、リフレッシュ空間や飲食物の提供だけでなく、地域に貢献できるコミュニケーションスペースであることが重要だと思う。地域の方と繋がれる、ここに来れば誰かと話ができる、そういう空間を大切にしたい。私自身が、友達と過ごす時間や楽しい事・綺麗な物に触れる時間で満たされるように、お客さまにも満たされる何かを提供したいと思っています。」









店内には猫アイテムがいっぱい♪

ついつい集めてしまうという
猫グッズ

“誰かに何かを提供したい”そんな優しさが根底にあるからか、橋詰さんの居る空間は、心が安らぎ、“ありのまま”で居れる懐かしい場所でした。


お店のマスコットキャラクター
はなちゃん


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