『防災のススメ』<地震編>「広報いくの」特集バックナンバー 2018年9月号

【特集】 生野区役所防災担当〝はまちゃん〞が伝えたい
防災のススメ<地震編>

僕は生野区役所で11年間防災を担当している「はまちゃん」こと濱崎です。
先日6月18日に、生野区でも震度5 弱を観測する「直下型」地震が起こりました。みなさんはその時、どう行動しましたか。何かをできたでしょうか。 僕は揺れが収まるまで、家族への声掛けくらいで何もできませんでした。
大阪市では、今後30年以内に震度6弱以上の揺 れが来る「海溝型地震」発生の可能性が70%以上もあります。もはやいつ起こってもおかしくないレベルです。 7月の豪雨もあったし、災害への心構えと備えがほんまに大切。今回の地震と豪雨も踏まえて、みなさんが疑問・不安に思っていることに 対して、「命と財産を守る」ために必要なことをお伝えしたいと思います。
今この時にできることをやってください。
日頃の備えが決め手やで。
はまちゃんプロフィール

濱崎友宏(はまざきともひろ)。妻と2人の娘の4人家族。生野区役所までは自転車で10分。 2007年から生野区役所勤務。以来、防災一筋11年。わかりやすい説明に定評があり、昨年度だけ でも地域などで174回、のべ一万人を超える市民・区民に防災出前講座を行う。

INDEX
Q1 地震が起きたら、どう対処するの?
Q2 逃げる時は、どうするの?
Q3 家の中の耐震対策はどうするの?
Q4 いざ!という時の持ち出し品は?
Q5 水や食糧はどのくらい備蓄すれば?
Q6 災害時の連絡や情報の取り方は?
Q7 災害時の連絡や情報の取り方は?

Q1 地震が起きたら、どう対処するの?

とにかく頭を守る体勢をとるんや。
地震で一番大切なことは、揺れている時間(直下型で数十秒、海溝型で数分間)を、「どうしのぐか」にかかってるねん。火元へ近づくのは揺れが収まってから! 台所は危険なものがいっぱいあるところやし、都市ガスは震度5以上で勝手に止まるから!
とにかく
頭を守るんや
テーブルの下などに隠れて頭を守るんや! そんで、テーブルの脚にしっかりつかまって!
逃げ道確保! これも揺れが収まってからやで。慌てて外へでたら逆に危ないで!
ブロック塀は崩れてくる可能性があるからすぐ離れてや!


Q2 逃げる時は、どうするの?

揺れが収まった後に注意が必要なのが「火災」や。
家を出て避難するときは、必ずブレーカーの主電源を「切(オフ)」にせなあかんで。阪神淡路大震災における出火原因の6割強は「通電火災」やってん。「通電火災」とは、一度「停電」した後に、破損した電源コードや家電に電気がもどって、「漏電」して火災になってしまうこと。
今すぐブレーカーの場所をチェックしといてや!
ブレーカーの主電源を「オフ」やで!
ブレーカーを切っていないと…
停電が発生し、その後電気が復旧した際、可燃物が落下した電気ストーブや破損した電源コードなどに再び電気が通ることが原因で火災が起きる。

可燃物が落下して発火!



電源コードの被膜が破れて短絡(ショート)により発火


Q3 家の中の耐震対策はどうするの?

めっちゃ揺れてる時は、動くことなんてできへんから、家具が倒れんように固定したり、ガラスが割れんように対策しとくことが大切やで。足ケガしたら避難するのも大変やねん。先手を打って「倒れてこない、落ちてこない」環境を作るのが大切やねん。デパートや百円ショップとかで、いろんな防災グッズが手に入るし、身近にあるものでも何とかなるで!
ボクの家では、古くなったネクタイとかベルトやストッキングなど伸び縮みや長さの調節ができるもので対策してるんよ。
工夫次第で
色々できるで!
家の中の耐震対策
テレビ
前後への転倒を防ぐため、バンド等で固定する
  • 耐震ベルト等を使ってテレビ台に固定する
  • テレビの下に耐震用のゲルマットを敷く

窓ガラスには、飛散防止フィルムを貼る

電気
  • 直接天井に取り付ける照明が安全
  • 吊り下げ式の器具は、鎖や金具で数カ所留めて補強する
たんす
L字金具等で上部を固定
開き戸に留め金具をつける
2段重ねのタンス等は上下を金具で固定する
家具の前方下部にストッパーを挟み、ブレを排除することで家具の転倒を防ぐ
前後への転倒を防ぐため、バンド等で固定する
   
耐震ベルト等を 使ってテレビ台に固定する
テレビの下に 耐震用のゲル マットを敷く
窓ガラスには、飛散防止フィルムを貼る
直接天井に取り付ける照明が安全
吊り下げ式の器具は、鎖や金具で数カ所留めて補強する
L字金具等で上部を固定
開き戸に留め金具をつける
2段重ねのタンス等は上下を金具で固定する
家具の前方下部にストッパーを挟み、ブレを排除することで家具の転倒を防ぐ


Q4 いざ!という時の持ち出し品は?

チェックリストをまとめておいたから、できるかぎり揃えてみて。
小さい子供や高齢者のいる家庭はそれぞれに必要なものを追加。
まとめてリュックに入れて、すぐに持ち出せるようにしておくこと! 置き場所は、玄関先がベストかも?
持ち物チェックリスト
□ ラップとウエットティッシュ(これは絶対に準備してください!断水時にめっちゃ役立つ!)  □ 笛  □ 懐中電灯  □ 小型ラジオ(ラジオの周波数を貼っておく)  □ 携帯電話の充電器(ソーラー式など)  □ 帽子  □ 地図(緊急避難場所をメモ) 
□ 筆記用具  □ コンパス  □ 軍手  □ マスク  □ 雨具  □ ナイフ  □ 缶切り  □ ガムテープ  □ ライター  □ お金(特に小銭)  □ 災害用簡易トイレ  □ トイレットペーパー  □ 防寒用ブランケット  □ ロープ  □ ゴミ袋  □ 家族の写真(他人に見せて探す場合がある)  □ 保険証のコピー  □ 絆創膏や消毒液
できるだけ揃えてや!

Q5 水や食糧はどのくらい備蓄すれば?

人間1人が1日に必要な飲料水は3リットル。さらに生活用水になると、1日6リットルの水が必要や。
食糧は最低でも3日分の用意をして欲しい! 基本は調理の必要のないもの。最初の3日は冷蔵庫のものを、その後は保存食を食べるつもりで。
そして、カセットコンロもお忘れなく。温かい食事が摂れます。ただし、交換用ボンベの買い置きを忘れずに! あと、ツナの缶詰は「簡易ランプ」にもなるし、食べれるし、2回おいしい(笑)
水は多めに準備やで!
ローリングストック法(循環備蓄)がおススメ
いつも使える食材を多めに購入し、食べた分だけ買い足していく備蓄法。
「ローリング」=回転させながら、「ストック」=蓄えておく。その食材を経験しておけば、災害時でも「慣れた味」の食事がとれるので安心。また、食べた分だけ補充するので、いざという時に消費期限切れの心配がないのもメリットです。チョコレートやようかんなどカロリーが高いものは、ストックにぜひ入れてください!

Q6 水害の時の避難は?

川の水が溢れ、道路や家が浸水する危険がある場合に、大阪市から避難情報をお伝えします。
「警戒レベル3」が出たら、高齢者などは、危険な場所から避難してください。 また、「警戒レベル4」が出たら、全員が危険な場所から避難してください。
普段からの災害に備えての準備と、早めの判断が大事です。 生野区には36か所の避難所がありますが、そのすべてが「3階建て以上」の建物になっています。
避難準備は早めが大事
防災マップで避難場所のチェックを!
区役所にもマップ置いてます。
くわしくは こちら

Q7 災害時の連絡や情報の取り方は?

災害時、通常の電話は通じんようになるかも。そんな時に役立つのが、以下の方法。
特にLINEやメールなど「文字のやり取り」が重宝することは、これまでの被災地でも証明されてるんよ。安否確認の強い味方や! 覚えといてや!
スマホもPCも
活用してや!
災害時に役立つ連絡方法および情報
●災害伝言ダイヤル171…「171」をダイヤルして、利用案内に従って、伝言の録音・再生を行う仕組み。毎月1日・15日はお試し体験ができます(※他の体験日も有)。
●LINEやメール…電話での通話ができない場合でも、「文字でのやり取り」は可能な場合がほとんど。
●おおさか防災ネット…気象情報・被害・避難情報などの災害情報を掲載。
くわしくは こちら
●大阪市からテレビやエリアメールでの避難情報…避難情報が出たときは迷わず避難してください。
●生野区ツイッター…災害時に情報を発信します。
●大阪市防災アプリ…お手持ちのスマホに災害情報を発信します。(ダウンロード要)
くわしくは こちら

わかりやすいところに貼っておきましょう!
● 我が家の避難場所
● 家族の電話番号
 (名前 電話番号)

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