いくのdeリノベ8月号 : 懐かしさと温もりのある食堂



お店の外観。首藤さん自作の看板とともに。

弥栄神社のほど近くにある木造の小さなご飯屋さん。2年ほど前からここでお店を営むのは店主の首藤(しゅとう)さん。「食堂がやりたい」と周囲に話していたら、「好きそうな所があるよ」と、この物件を教えてもらった。歴史を感じる建物とガラス扉に一目惚(ひとめぼ)れし、ここに決めた。

 以前はうどん屋さんだったこの場所。扉を開けてすぐのテーブル席やカウンター席がある土間部分はそのまま使えたが、奥の座敷は壁も床も痛みが激しかったため、全面的にリノベーションすることに。1階の天井を取っ払いつくった吹き抜けにより、2階の窓からの光が白い壁にやわらかに反射し、開放的な空間となった。


お店に入ってすぐの土間部分。
昔ながらの定食屋さんの雰囲気が漂います。

お店奥の座敷。
残された梁や壁の境界線からは、
2階があった頃の面影が感じられます。

 扉に描かれたレトロな文字、色濃く変化し味わいのある柱、ガラスシェードに覆(おお)われた電球。そして、流れるAMラジオ、着物とかっぽう着の首藤さん、定番の「だし巻き卵定食」。これらが調和した空間に、思わず時代をさかのぼったような不思議な錯覚(さっかく)に陥る。

扉に描かれた“レイコ食堂”の文字は
首藤さんが自身でデザインしたもの。

お店の外のレトロな電灯

定番の「だし巻き卵定食」。
お出汁の香る優しい味付け。
その日のお品書きはお店のfacebookページで
紹介されています。

 「思い出したときにちょっと寄りたくなるような食堂でありたい。」そう話す首藤さんには、4人のお子さんがいる。慌(あわ)ただしい日常の中でも、この空間に身を置けば、自然と自分らしくなれるそうだ。
 なぜか懐かしく、あったかいご飯のある場所が、ここにはある。


飾らないお人柄の首藤さん。
着物はご祖母様から譲り受けたもの。

一見普通の民家。
この看板が目印です。
店名は首藤さんのお名前から。

店内にはおしゃれなアート作品も飾られています。

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