田島中学校「ピンチをチャンスに!」〈前編〉
生野区役所地域まちづくり課が区内の「特色ある学校の取り組み」をご紹介します。今回は、緊急事態宣言という状況の中で、「ピンチをチャンスに!」を合言葉に、オンライン授業など『新しい学びのかたち』にチャレンジする田島中学校の取り組みです。
□「自学力」をつけて、家庭学習ができる生徒に
令和3年4月25日、大阪府に緊急事態宣言が発令されました。それを受けて、大阪市立中学校の教育活動は、午前中は家庭などで、1人に1台の学習者用端末でのICTを活用した学習やプリント学習を行い、その後、登校し給食を食べ、午後は学校で、家庭学習で勉強したことの理解を深める指導をすることになりました。
そこで、田島中学校は、家庭学習の時間が増えることを逆に活かして、生徒が「自学力(自ら学ぶ力)」をつけることを目的とする、「予習時間」を設けた学習指導を始めました。
★緊急事態宣言中における田島中学校のある日の時間割(例)
緊急事態宣言期間中の田島中学校の生徒の1日は、朝学活の「校歌斉唱」と「ラジオ体操」から始まります。生徒は、YouTubeに限定公開されている田島中学校自作の動画に合わせて、それらを行っているそうです。
そして、次が田島中学校独自の取り組みである「予習時間」になります。
「予習時間」に勉強する科目は、その日に行われる学校での対面授業の科目と同じです。その理由は、塩見校長先生いわく、生徒が「予習時間」で自ら勉強してきたことを、学校での対面授業でさらに理解を深め、学びを完成させることを目的にしているから、とのことです。
また、「予習時間」に生徒が自分で分からないことを調べることができるように、事前に課題と併せて、様々な学習方法や電子コンテンツにアクセスする仕掛けをしたプリントを配付し、学習者用端末でのICTを活用した学習方法にも力を入れています。
他にも、田島中学校では、健康観察表に「睡眠」「学習」「メディア」(※一人で画面に触れる時間)の項目を増やして、生活習慣の振り返りもできるようにするなど、生活指導の面でも新たなチャレンジをしています。
またそれは、スマートフォンなどの電子メディアを意識的に使わない時間を持つことを意味する、アウトメディアの取り組みにもなっており、生徒が自立的な生活を送るための助けにもなっています。
↑田島中学校の健康観察表
□おわりに
緊急事態宣言によって学校で勉強できない時間が増えてしまいました。
田島中学校では、その時間を利用して、生徒が自ら新しいことを調べ、学習することで、自主的に家庭学習に取り組むことができる生徒を育むチャンスに変えています。
まさに「ピンチをチャンスに!」ですね。
次の記事では、田島中学校での双方向型オンライン授業の様子を紹介します。
これまでになかった未来の教室が垣間見えますので、ぜひご覧ください!