【区長コラム】「まちぐるみ教育・みんなの学校」構想案にご意見を!

みなさん、こんにちは。生野区役所では統一地方選に追われている間にメンバーが入れ替わり、平成31年度そして令和元年度の「チーム生野」が始動しています。


〔4月より深見前副区長から櫻井副区長に変わりました。団塊ジュニア世代同士で区政を推進していきます!〕


さて、今日は現在パブリック・コメントを実施している「生野区学校跡地を核としたまちづくり構想(案)」についてご説明いたします。


★構想案の掲載ページはこちら↓
https://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/ikuno/0000463467.html

今年2月2日に「生野区リノベーションまちづくりフォーラム」を開催し、その際にも大きな方向性について共有し、意見交換をさせていただきました。
★当日の資料・講演の動画はこちらに掲載しています↓
https://www.city.osaka.lg.jp/ikuno/page/0000455689.html

《地域企業、保護者代表の方などが参加したパネルディスカッションの様子》

ここで大事なことは「学校再編の議論」と「まちづくりの議論」は同時にしなければならないということです。学校跡地は、大阪市の方針では本来は売却です。あくまで生野区の場合は密集住宅市街地であり、避難場所を確保するために「西部地域の小学校の跡地はすべて残す」ことになっています。


私が生野区長としてやってきた2年前、この話を聞いて焦りました。売却すれば数億となる資産を残し、今は教育委員会の管理下にある土地と建物を「生野区役所の財源で維持管理する」ということになります。


避難所や地域活動に使うためだけに、あの広大な校地と校舎をただ最低限の維持をするだけで年間500万円かかります。空調や壁などの細かい修繕費を積み立てると、年間600万円は必要です。最大で9校分の活用を考えると、5400万円/年の予算を、今の区役所の財源から確保しなければなりません。


《構想案を策定した株式会社セミコロンの清水義次さんによる講演より。今後の自治体財政と公共施設の関係性について説明しています》


 区役所の予算書を見ていただければわかりますが、予算のほとんどは庁舎管理と人件費です。住民サービスや福祉を支えるマンパワーはギリギリのところでやっており、これを削ることはできません。5400万円をひねり出すには、かなりの数の事業を削減しなければならなくなります。そして、いずれ財源が尽きた時に売却せざるを得ない日が来ます。


★生野区平成31年度予算事業一覧
https://www.city.osaka.lg.jp/ikuno/page/0000461000.html


 まちの活性化や子育て世代が集まるようなアイデアを盛り込んで運営事業者を公募し、各学校の運営が持続可能になるように計画を立てなければなりません。


 私は浪速区に住んでおり、家の近くに学校跡地があります。今、浪速区もさまざまに検討をしているところですが、数年間そのままになっており、近隣は寂しい印象が強くなっています。いざ学校が閉校になってから調査をし、まちづくりの計画と合わせて事業者公募まで実施すると数年のブランクができます。

 できるだけ再編の議論と並行してまちの現状を把握し、計画を立てることで「空白期間を作らない」ようにできます。少しでもエリアの価値を維持するために、必要な考え方です。


《構想の中で示された生野区の路線価の高い方を赤、低い方をグリーンで表したヒートマップ。この10年での地価の下落が激しいことがわかります》


フォーラムのご案内や構想づくりに向けた区民講演会に対し、2つの声があります。


 「学校再編はまだ決まっていないのに、跡地の計画を作るとはどういうことだ」という声。

 「学校跡地が確実に保障され、まちの活性化につながるというプランを見ないと賛成できない」という声。


いつもお伝えしていますが、学校再編にもまちづくりにも「全員にとって100%の正解」はありません。まずは、特定の小学校区のプランの前にお示しできる、学校跡地を活用する上での方針や方法論を示したところです。

 具体的な学校ごとの計画は、今後の再編の話し合いの中で「作ってほしい」という声があるところから、また、校地活用が必要であると確定した学校から作っていきます。


《構想案より。今後、この構想案に基づき、学校跡地検討会議が立ち上がった地域から具体的な計画策定に向けた話し合いが始まります》

 全体構想は区民アンケートやヒアリング、フォーラムでの質疑なども反映させながら、委託事業者と連携して策定しました。まだまだ情報が届いていない方も多いので、今回のパブリック・コメントを機により多くの人のお声をいただきたいと思っています。


 この構想案の大きなコンセプトは、学校跡地を中心に地域全体が学びの場となる「まちぐるみ教育」を掲げていることです。「まちぐるみ教育」を実践することで、子どもも大人も生涯学び続け、人生を楽しめるまちになります。まさに「居場所」と「持ち場」のあるまちです。


 小学校としての機能は無くなりますが、「みんなの学校」として地域に開かれます。校庭を公園化し、ボール遊びのできる環境や、地域の方や子育て世代の憩いの場が用意できればいいなと思います。


《フォーラムの映像より。株式会社セミコロンの大島芳彦さんによる「みんなの学校」の案のうち「食の学校」のコンセプト説明です》


 この案があくまで「構想」であり完全に決定事項でないのは、内容を見ていただければわかります。特にコミュニティ交通のところは、実現にはハードルが高い。防災については、今後それぞれの地域防災計画と合わせていき、具体化していきます。


 構想だけが、30年度の調査業務のすべてではありません。


 1年近くに及ぶ調査業務と構想づくりを通じて、委託事業者である株式会社セミコロンの持つノウハウや他の自治体で実績のある公民連携の手法について、職員と一緒に学んできました。事業者からの提案で、職員が公民連携やリノベーションまちづくりを学ぶための研修と、また生野区民の中にまちの課題を共有するための区民講演会を重ねてきました。


《校舎・校地の活用だけでなく、校区全体の空き家や空き工場を活用するエリアリノベーションの考え方を取り入れ、まちの活性化につなげます》


 組織として計画を引き継ぎ、当事者意識を持つ区民のみなさんと連携し、かつ「今までのやり方にはない」新たな手法やモデルに取り組んでいきます。地域ごとの検討会には入れないけれど、学校跡地の活用にアイデアがある、関心がある方に広く呼び掛けてワークショップも開催していく予定です。


《福祉のまちである生野区の基盤を活かしつつ、ものづくり産業の活性化にもつなげていく構想案です》

 まずは構想に目を通していただければ嬉しく思います。生野区が「教育のまち」と呼ばれる大きな転換点となる構想です。大人もこどもも集まり、学び、区内外の人と関わる拠点を中心に、いろんな人の生きがい、やりがいにつなげたい。


体験型の学びが充実したまちに暮らしたい子育て世代にも、夢をかなえたい若者にも、第二の人生を楽しみたいシニアにも、魅力的なまちになるよう、一緒に考えていただければと思います。


どんな風に関われるだろう?と思いながら、読んでみてください。よろしくお願いします!


★〔再掲〕構想案とパブリックコメントの募集ページはこちら↓
https://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/ikuno/0000463467.html


=========================

◆西部地域学校再編整備計画の情報についてはこちら↓
https://www.city.osaka.lg.jp/ikuno/category/3366-3-15-0-0-0-0-0-0-0.html
出前講座やメールでの質問を受け付けています!

◆官民連携まち情報サイト「いくのぐらしドットコム」↓
https://ikunogurashi.com/
イベント・グルメ・小ネタ・「いくのな商品」情報をチェック!

=========================

区長インスタやってます♪
http://instagram.com/terumi_yamaguchi
※長文が多いのですが、日々発信しています。

=========================
〔発信:区長・山口照美〕


人気の投稿