IKUNO×グローバル 2月号 ネパール
SAPKOTA NANDALAL(サプコタ ナンダラル)さん
ネパール出身。シェフとして若くからインドのニューデリーなど海外で経験を積み、2005年に来日。大阪の繁華街のレストランで働き、夫婦で2016年に生野で店をオープンして3年目。ネパールで暮らす息子2人とは年に1度会うのが楽しみ。
―故郷はどんなまち?
故郷のまちはヒマラヤに近くて、雪山がほんとに大きく見えるんだ。たぶんびっくりするくらい。でも、夏は45度くらいまであがるから暑くって。こどもの頃はヒマラヤからつづく川で、よく泳いだよ。川の水が気持ちよくて。でも危ないから母親から入っちゃダメだってよく怒られたな。あとは山で木登りして、果物をもぎ取っては、友達とよく食べたよ。海外での生活も長くなって来たけど、やっぱり故郷が好きだな。だから店の名前にも、故郷の名前を入れたんだ。初めての自分の店だから、故郷の名前。いいでしょ?
ネパールのヒマラヤ近く、そう聞くと標高が高くて寒いものだと思っていたら、夏の気温に驚いた。こどもの頃の話をしてくれるナンダラルさんは、楽しそうで話が止まらない。そんな自然いっぱいの故郷で、家族や親戚と一緒に暮らしていたそうだ。
―親戚とくらす?
そう、ネパールって親戚とのつながりが強くって、家族みたいなんだ。よく同じ家で一緒に暮らしたりするんだよ。いま僕の2人の息子も、故郷のまちで親戚と暮しているんだ。だから、会いたい寂しさはあるけど、安心。親戚が一緒にいてくれるからね。
そう言って長男が映っている動画を見せてくれた。「いま16歳。18歳で高校を卒業したら、好きなことをしたらいいと思っているんだ」と。自分と同じように、世界中の好きなところで、好きなことをしたらいいと話すナンダラルさんは、穏やかでやさしい笑顔のお父さんだった。
しかし、その動画で興味を引かれたのは、みんなが踊っている様子だ。映る人、映る人が楽器を演奏したり、その音楽に合わせて、楽しそうに踊っていた。
―ネパールの人は踊りが好き?
ああ!これは親戚の結婚式。ネパールの人は音楽がない生活なんて考えられないほど、踊りや音楽が大好きなんだ。こうやって大切な時に人が集まると、すぐに踊りだす。音楽を奏でて、歌って、踊って。伝統的なお祈りの踊りでね、みんなこどもの時から身近にあって、気がついたら歌って踊れるようになっているんだ。
来日してから10年あまり、いろんな地域でコックとして働いてきた。本当に忙しくて、忙しくて、毎日カレーを作り続ける日々だった。そして、自分のお店を持つため、探しまわって決めた場所が生野だった。
―生野に暮してどう?
店でいろんな人に出会えるよ。生野の人って、はじめて店に来てくれた人でも、僕の顔を見て、ネパールってどんなところ?とか、ネパールに行ったことあるよって、気軽に話しかけてくれる。そんな距離感がうれしいんだ。年に1度、店を休んでネパールに帰るんだけど、そのあとお店を再開する時は、ご近所からたくさん食べに来てくれる。お店が忙しかったら、お客さんがエプロン付けて手伝ってくれたりもするよ。あとカレーを作るのにたくさんのスパイスが必要だけど、生野のまちで揃うんだよ。買い物も全部ご近所で。僕にとっては楽しくて便利な所かな。
お店は大池橋。駅もちょっと遠いし大都会ではないけれど、あわただしく時間が流れる都心のお店とは違って、お客さんの顔が見られる。「おいしい」って笑顔に会って、「また来てね」と見送れるんだ。
そう充実した笑顔で答えてくれた。最後に好きな日本料理は?っと聞くと「マグロの寿司」だと答えてくれた。この春、ネパールから2人のこども達が初めて日本旅行に来るそうだ。こども達が来たら一緒に食べに行くのかな?そんなことを思いながらインタビューを終えた。
ネパール出身。シェフとして若くからインドのニューデリーなど海外で経験を積み、2005年に来日。大阪の繁華街のレストランで働き、夫婦で2016年に生野で店をオープンして3年目。ネパールで暮らす息子2人とは年に1度会うのが楽しみ。
―故郷はどんなまち?
故郷のまちはヒマラヤに近くて、雪山がほんとに大きく見えるんだ。たぶんびっくりするくらい。でも、夏は45度くらいまであがるから暑くって。こどもの頃はヒマラヤからつづく川で、よく泳いだよ。川の水が気持ちよくて。でも危ないから母親から入っちゃダメだってよく怒られたな。あとは山で木登りして、果物をもぎ取っては、友達とよく食べたよ。海外での生活も長くなって来たけど、やっぱり故郷が好きだな。だから店の名前にも、故郷の名前を入れたんだ。初めての自分の店だから、故郷の名前。いいでしょ?
ネパールのヒマラヤ近く、そう聞くと標高が高くて寒いものだと思っていたら、夏の気温に驚いた。こどもの頃の話をしてくれるナンダラルさんは、楽しそうで話が止まらない。そんな自然いっぱいの故郷で、家族や親戚と一緒に暮らしていたそうだ。
―親戚とくらす?
そう、ネパールって親戚とのつながりが強くって、家族みたいなんだ。よく同じ家で一緒に暮らしたりするんだよ。いま僕の2人の息子も、故郷のまちで親戚と暮しているんだ。だから、会いたい寂しさはあるけど、安心。親戚が一緒にいてくれるからね。
そう言って長男が映っている動画を見せてくれた。「いま16歳。18歳で高校を卒業したら、好きなことをしたらいいと思っているんだ」と。自分と同じように、世界中の好きなところで、好きなことをしたらいいと話すナンダラルさんは、穏やかでやさしい笑顔のお父さんだった。
しかし、その動画で興味を引かれたのは、みんなが踊っている様子だ。映る人、映る人が楽器を演奏したり、その音楽に合わせて、楽しそうに踊っていた。
―ネパールの人は踊りが好き?
ああ!これは親戚の結婚式。ネパールの人は音楽がない生活なんて考えられないほど、踊りや音楽が大好きなんだ。こうやって大切な時に人が集まると、すぐに踊りだす。音楽を奏でて、歌って、踊って。伝統的なお祈りの踊りでね、みんなこどもの時から身近にあって、気がついたら歌って踊れるようになっているんだ。
来日してから10年あまり、いろんな地域でコックとして働いてきた。本当に忙しくて、忙しくて、毎日カレーを作り続ける日々だった。そして、自分のお店を持つため、探しまわって決めた場所が生野だった。
―生野に暮してどう?
店でいろんな人に出会えるよ。生野の人って、はじめて店に来てくれた人でも、僕の顔を見て、ネパールってどんなところ?とか、ネパールに行ったことあるよって、気軽に話しかけてくれる。そんな距離感がうれしいんだ。年に1度、店を休んでネパールに帰るんだけど、そのあとお店を再開する時は、ご近所からたくさん食べに来てくれる。お店が忙しかったら、お客さんがエプロン付けて手伝ってくれたりもするよ。あとカレーを作るのにたくさんのスパイスが必要だけど、生野のまちで揃うんだよ。買い物も全部ご近所で。僕にとっては楽しくて便利な所かな。
お店は大池橋。駅もちょっと遠いし大都会ではないけれど、あわただしく時間が流れる都心のお店とは違って、お客さんの顔が見られる。「おいしい」って笑顔に会って、「また来てね」と見送れるんだ。
そう充実した笑顔で答えてくれた。最後に好きな日本料理は?っと聞くと「マグロの寿司」だと答えてくれた。この春、ネパールから2人のこども達が初めて日本旅行に来るそうだ。こども達が来たら一緒に食べに行くのかな?そんなことを思いながらインタビューを終えた。