住みながら世界とつながるまち・生野 「広報いくの」バックナンバー 2019年2月号

特集
住みながら世界とつながるまち・生野
5人に1人が外国籍の生野区。これまで、在日韓国・朝鮮の方たちと長い歴史を重ね、共に暮らしてきました。
そして近年、就労や留学などで、ベトナム、中国をはじめたくさんの外国籍の方が住むようになりました。
今や約60ヶ国もの人々が生野のまちの住民です。
災害が起こった時の情報伝達手段や、生活習慣の違いによる近隣住民とのトラブルへの対処など、 課題はありますが、それぞれが持つ歴史や文化などの違いを理解しながら、 同じまちに暮らす人として、共に尊重し合い、 豊かな関係性を築いていきませんか。

INDEX
これまでの取組み
日生日本語学園と連携協定の締結
多文化カフェ開催
TATAMI TALK(タタミトーク)開催
まちの人の活動紹介
【保育】森本 宮仁子さん
【学習支援】宋 悟(ソン オ)さん
【イベント】仲山 典男さん
【留学生】辻本 慶子さん / 森本 佳子さん
【食】ANDIKA DIAPARI(アンディカ ディアパリ)さん
いくの×グローバル

これまでの取組み

2018年
4月
日生日本語学園と連携協定の締結
区役所が発信する生活情報などの翻訳や、外国籍の方々とのコミュニケーション向上をめざし、区内にある日生日本語学園さんと連携協定を結びました。また、昨年10月開催の「生野まつり」では、生徒さんたちが「やさしい日本語」ブースで多文化交流の協力をしてくれました。
2018年
7月
多文化カフェ開催
国籍を問わず生野に住む方々が、同じテーブルにつき、外国籍の方が抱える生活での課題や、生野区での共生の未来について、話し合いました。
2018年
12月
TATAMI TALK(タタミトーク)開催
「話して、食べて、つながろう」をテーマにさまざまな国の文化に触れて、楽しむイベントを開催しました。外国籍の方をはじめ、日本の方もたくさん参加していただき、会場では、“やさしい日本語”をきっかけに参加者同士の交流は大いに盛り上がりました。また各国の料理や、舞台発表、音楽セッションなどもあり、異文化を体験していただきました。
"やさしい日本語”から、つながろう

生野区では、「“やさしい日本語”から、つながろう」という取組みを進めています。“やさしい日本語”は、コミュニケーションのための道具です。この取組みは、国籍やルーツを超えて人と人がつながるきっかけとして、“やさしい日本語”をより多くの方に活用していただくことをめざしています。考えに賛同くださる個人へは缶バッジを、お店には店頭に掲示いただくステッカーをお渡ししています。このデザインを多くの方に利用していただきたいと考え、ホームページでダウンロードができるようにしています。
“やさしい日本語”協力店地図ができました

“やさしい日本語”協力店は、”やさしい日本語”をきっかけに気軽に会話できるお店です。どうぞ中へ入って、一緒に話しましょう。
あなたの周りの外国籍の方に、伝えてあげてください。

まちの人の活動紹介
保育
×
グローバル
大阪聖和保育園 事務局長・元施設長
森本 宮仁子さん

大阪聖和保育園では毎朝、日本語・韓国朝鮮語・中国語・タガログ語・ベトナム語・ヘブライ語の6ヶ国で「おはようございます」と挨拶をします。また、園での、歌、遊び、給食の中にも日本の文化以外のものを取り入れてきました。「多文化共生」ってよく言うけれど、「文化」を通して「人」にフォーカスされるべきだと思うんです。「あなたはあなたのままでいい、あなたの持っているバックボーンと共に一緒に生きていこう」そんな風にこの言葉を解釈しています。だから、「民族保育」「多民族保育」と呼んでいます。「同化」させることなく、お互いを尊重し合う社会。それぞれが誇りと自信を持って生きていける社会。そんな社会は、少数者だけではなく、多数者にとっても生きやすい。「あなたのまま、私のまま」で生きていける生野区であることを願っています。

学習支援
×
グローバル
NPOクロスベイス代表理事
宋 悟(ソン オ)さん

1年半前から、小中学生を対象に学習サポート事業を始めました。今は、日本、韓国、ベトナム、中国、ネパールのこどもたちが通っています。日本語で日常会話ができていても、学習言語は難しいのでその子に合ったサポートをしています。学習の最後には1対1での対話の時間を設け、帰り際には出口まで見送り、必ず一人ひとりに声をかけています。ここを開設したのは、こどもたちが、安心し自信を持って自分を表現できる場を作りたかったからです。経済事情、国籍、ジェンダー、家庭環境の違いなど含め、多様な人同士が一緒に学んだり遊んだりする中で、創造的なエネルギーが湧き、新しいものが生まれる。それこそが真のグローバル化だと思っています。生活・暮らしの中で、多文化共生のマインドをこどものうちから持てる、生野で世界を感じることができる、そんな環境が生野の強みだと思っています。

イベント
×
グローバル
一般社団法人 大阪ベトナム友好協会 会長
仲山 典男さん

一昨年の7月に法人として設立しました。でも活動は7年くらい前からやっています。私たちの活動は、ベトナムの文化を広く紹介して、その中で交流していきます。でも堅苦しいものではなくて、ベトナムのファッションや雑貨、料理など若い世代の人たちにも届きやすいような、等身大の交流をめざして、少しポップで気軽さを大切にしたイベントなどを行っています。気軽で楽しくないと日本人とベトナム人、もちろんベトナム人同士も、その交流は続かない。続いていくことこそが大切なんだと思います。だから僕たちのイベントは、迎える側もお客さんも、楽しめないとはじまらない。決して無理をせず、自分たちのできる範囲での活動をめざしています。こうやってできた人の交流は、目線の高さが一緒になるんです。それぞれが楽しんで誰の負担にもならない人と人とのつながりが、これから必要なんだと思います。

留学生
×
グローバル
NPO特定非営利活動法人 アジアハウス附属海風日本語学舎
代表理事 辻本 慶子さん(右)
校  長 森本 佳子さん(左)

私たちNPOが運営する全寮制の日本語学校海風日本語学舎には、ベトナム、中国、スリランカ、バングラデシュからの留学生が約70名在籍しています。在籍2年の間に、日本語能力N2,N1取得を目指す他、ごみ出し、掃除、病院での受診等、生活全般のことを、きめ細かく伝えます。朝(昼)食も無料で提供し、日本の生活に少しずつ慣れてもらい、勉強に集中する環境を整えていくんです。この寮ができたのは26年前。留学生たちが、日本人の保証人がいなくて、部屋が借りれず困っていることを知り、彼らの住む場所が必要だと感じたんです。いろんな方々からの助けによって、完成までたどり着くことができました。彼らは、自国で走る日本車や日本のアニメに触れ、夢や憧れを抱いて日本に来て、日本の大学や大学院、専門学校などへ進学し、日本の企業で働き、ずっと日本で暮らしたいと言います。彼らは希望に満ち溢れ、一生懸命に勉強しています。異国の地で、それぞれの力を最大限に活かして、自分らしく未来を切り開いていってほしい、そして何より、日本人、特に若者がこれからの日本のカタチを一緒に考えてくれることを願ってやみません。

×
グローバル
生野区まちづくりセンター支援員
ANDIKA DIAPARI(アンディカ ディアパリ)さん

一昨年の5月から毎月「サラダボウル・プロジェクト」として、地域の人と生野区に暮す外国人が出会う場所を作っています。一緒に農園で野菜を作って、それをいろんな国の料理にしてたべる。食文化の交流をきっかけに、そこで出会った人たちがお互いに興味をもってもらいたいと思っています。活動の中で出会った地域の方は、積極的に外国の文化や違いを楽しんでくれるし、こども達も純粋に、気になったことを聞いてくれる。外国から来た僕たちにとっても、地域の習慣とか考え方とか、この場が、たくさんのことを知るきっかけになっています。興味がわくって楽しいですよね。文化や歴史などの違いはあるけれど、たくさんの国の人が暮らす生野区で、そんないろんな違いを知った上で一緒に暮らすと、もっともっと楽しくなると思います。


IKUNO×グローバル


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