いくのdeリノベ10月号 空間×食 同級生2人の走り出した夢

 


 赤と白のコントラストが美しい外観の「Debi’s kitchen(デビズキッチン)」。小学校以来の友人である同級生2人が、昨年10月、ここ勝山通沿いにオープンさせたイタリア料理店だ。

 “空間”を担うのは、リフォーム会社での勤務を経て、3年前に区内で独立した楠(くすのき)さん。新たに飲食分野に挑戦したいと考えていた折、元飲食店だった空家を購入し、全面改装に踏み切った。一方、“食”を担うのは香西(こうざい)さん。10年間料理人として腕を磨きつつ、“いつかは自分の店を生野で”と考えていた。それぞれが、それぞれのキャリアを積んできた。そして、互いのタイミングがうまくかみ合い、共に育ってきたこのまちでこの店が生まれた。


もともとは中華料理屋。
今の店構えからは想像できない。

工事期間は約3カ月。
梁のみ残しフルリノベーション。

 1階の大きくとった窓と吹き抜けが明るく開放的な店内。窓枠や棚の「赤」が、白い壁に木製のテーブルが置かれているナチュラルな空間のスパイスに。カウンター越しには調理風景が見えるオープンキッチン。2階へ上がると、大胆な木目調の壁が目に飛び込み、「黒」い梁と天井が空間を引き締め、落ち着いた空間となっている。


木がふんだんに使われた店内。

カウンターの足元は
使い込まれた古材の板を使っている。

壁は一面一面違っていて
見ているだけでおもしろい。

お店に入って左手の壁は水色から白へと変わる
大胆なグラデーション。
波打つような模様は、なんとビニール袋に
ペンキをつけてスタンプの様に色付けしたのだそう!

2階には掘りごたつがあり、ゆったりと過ごせる。
白と黒の畳が交互にはめ込まれており、モダンな印象。

オーナーの楠さん。
お店を任せるのは香西さんと決めていたという。

店主の香西さん。
店名の「デビ」は香西さんのあだ名なのだそう。


 「日々、試行錯誤しながら一歩ずつ進んでいる感じです。」と香西さん。家族連れのお客さんにもたくさん来てもらい、にぎやかなお店にしていきたいと言う。ランチ営業も始めるなど、お店はまだまだ進化中。“地元を盛り上げていきたい”と、違った道を進んでいた同級生2人は、今そう口をそろえる。夢は大きく動き出したばかりだ。

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