いくのdeリノベ2月号:ものづくりへの一途な思いが“形”となった場所



疎開道路から桃谷商店街を折れ、少し入ったところに、白い木枠が印象的なガラス張りのお店がある。


扉を開くと、賑やかな商店街から一変、別世界に入り込んだ錯覚に陥る。天井から吊るされたいくつかのペンダントライトが、布の鞄や、ニットの小物、季節を感じさせる雑貨たちを、柔らかく照らしている。



ここは店主である田口さんが5年前に開いた雑貨店。1階のキッチンと2階はリフォームされていたが、店舗部分は何もない空っぽの空間だった。「自由に手をいれていい」と言われたことと、昔ながらの店の中に新しい店もでき始めていたこの商店街に可能性を感じたことからこの場所に決めた。





店の中央に位置する大きな木のテーブル、それを囲む椅子。落ち着いた色の木の床が広がり、白壁の中、一面だけ深いグリーンの壁を彩る白木の飾り窓。




特にこだわりの壁紙の色は、イメージに合う色を探すのに苦労したそう。
「なかなか気に入った色がなく、友達に相談したら、とてもいい色の壁紙を持って来てくれて。でもこれ廃番なんで、傷がついたりしても貼り換えができないんです。でもそれも味があっていいかな」と話してくれました。




そしてお店の象徴であるガラスの扉など、これらは全て田口さんが思い描いていた世界そのもの。ひとつひとつ自分のイメージを形にするように、プロの力を借りてリノベした。照明にもこだわりが。デザインに惚れ込んだものをひとつずつ増やしていったというペンダントライト。あちこちに飾られたプリザーブドフラワーやアーティフィシャルフラワーが、きれいに見えるようにと、あえて光の量を落としている。


アーティフィッシャルフラワー(右上)や、皮で作った花のモチーフ(左下)など
田口さんの作品が店内のあちこちに飾られている。


幼い頃からものをつくることが好きだったという田口さん。母が洋裁の先生だったこともあり、小学生になる頃には自分の服を作り始め、当たり前のように洋裁の学校へ進んだ。そんな時、ふとしたきっかけで知った着物の世界は、新鮮で魅力的に感じた。着付けを学び、講師としても6年ほど勤めた。今飾られているカバンやヘアアクセサリーは、様々な柄の着物地が、田口さんの自由な発想で組み合わされデザインされ、作り上げられたもの。
洋風の店内と見事な調和を見せている。他にも、手編みの帽子や皮製のヘアアクセサリー、フラワーアートなど、田口さんが手がけるものは幅広い。



イタリアン生地で作った小銭入れ、ポシェット、ペンケースなど。
定期的に生地を仕入れに行くそう。
棒針で編むニット帽や、ネックウォーマーなど季節ごとに新作が並ぶ。


雑貨だけでなく、フラワーアレンジ教室や素材からこだわるランチの提供も始めた。「いつかピアノの演奏会もしたい」とこの場所で咲かせたい夢は続く。
田口さんのものづくりに対する真摯で丁寧な姿勢が人を惹きつけている。


雑貨が好きな小学生が、学校帰りに声をかけてくれる。
新作があるとすぐに気づいてくれるそう。
フラワーアレンジの教室に通っているお子さんも
顔を見せに来てくれるのだとか


野菜もたくさんとれる手作りランチ。


商店街周辺のお店の人たちとも交流のある田口さん。
昨年の12月には、先月号の「いくのdeリノベ」で紹介したnyi-maの杉田さんと『桃谷裏庭文化祭』と称したイベントを主催されました。
桃谷周辺の個性溢れるお店を巡りながら、食、アート、ワークショップ、パフォーマンスなどを楽しめるもの。
beansさんでは、田口さんによる着物の着付け&プロカメラマンによる撮影が行われましたよ。
桃谷周辺の魅力がたくさんの方に伝わった2日間にわたる大きなイベントとなりました。

桃谷裏庭文化祭のマップ







ガラス扉の向こう側。
そこはフラワーアレンジの教室であったり、田口さんが洋裁や編み物をする創作の場であったり、
お客さんがランチを楽しむ場であったり、いろいろな表情を見せる。











☆ 令和元年5月に、ビーンズ2号店をオープンさせた田口さん。
人気のランチはこちらに引き継がれました。
小さなお店ですが、田口さんのセンスあふれるオブジェや小物があちらこちらに。
   1階では「おいしいごはん」、2階では「着付け教室」を。
2号店の外観。1号店と合わせたテイスト。

ピクルスを漬ける田口さん。


手間ひまを惜しまないバランスのよいランチ。








着付け教室は2階で。










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