いくのdeリノベ11月号:家族の絆と訪れた人の温もりが刻まれた心安らぐ場所


疎開道路から少し西へ入った勝山地区の路地で、周りの住宅に溶け込むように佇むカフェがあります。三軒長屋の真ん中で、1階を店舗、2・3階を居住スペースとされている岡本さんのお住まい。購入時、築40年以上経っていた家屋は、すでに何度かリフォームされていて、手直しの必要はなかったそうです。





カフェ経営の夢をあたためていた岡本さんですが、当時、学生だった娘さんからの「この家でお店したらいいやん」の一言が後押しとなり、入居数年後に、ガレージと一部居住スペースだった1階をカフェ仕様にリノベーションされました。“生活の場”と“働く場”
が同じところがメリットだとか。




大きな改装も、カフェ出店も初めてのことだらけ。施工会社との交渉、カフェのテーマや値段設定、メニューにいたるまで、娘さんと息子さんが全面的に協力してくれたそう。
お店の名前にもお子さんからのインスピレーションを受けたのだとか。ある日、3人で行ったカフェで「みんなでこんな風にお茶するのっていいよね」となにげなく発した言葉に、息子さんが「お店の名前、それにしたらいいやん」。その一言で「teatime(ティータイム)」に決定。




こどもたちがお店のコンセプトなどを書いた“思い出”のノートを見せてくれました。


「ありきたりなんですが、ちょっといっぷくできたり、ほっと一息つける場所にしたいという思いを込めて。」と岡本さん。



席の配置にもこだわるのも、そんな思いがあるからこそ。
席同士の距離は近すぎず、離れすぎず、訪れた人がリラックスできるように工夫されている。
どの席に座っても“自分だけの空間”になるよう、実際に座って、確かめるそう。

また、常連さんからの贈り物の布絵本等が置かれるなど、「ママさんたちも少しでもゆっくりした時間を過ごせるように」と、小さい子ども連れの方にも配慮されている。



岡本さんの一番のお気に入りは、道路側にある外が見える席。かわいらしい小物や本が置かれています。



絵本や動物の置物など、こどもたちの興味をひきそうなものが並べられています。


また、ところどころに飾られている素敵な小物たちが、店内を彩ります。
「出かけた先で、かわいい小物を見るとついつい“お店に置いたらどうかな”と考えてしまうんです」
と、小物へのこだわりも語ってくれました。








リノベーションする際、予算の都合上、自宅用玄関は作らずに、カフェの出入り口と兼用する形に。
お子さんが、お客さんの横を通って家を出たり入ったり。「いってらっしゃい」「おかえり」「大きくなったね」の言葉があたたかく飛び交っていたそうです。


自宅とお店兼用のこの“扉”から、たくさんの人が訪れ、
たくさんの“あたかかい”エピソードが生まれました。

「お客さんにほっと一息つける場所を提供しようと思っていたのに、反対にお客さんから私たち家族の心あたたまる場所をいただいた気がします。」
 お客さんからの『ごちそうさま』『ありがとう』『また来るね』、そんな言葉が“お店をしてよかった”と心から思える瞬間だそうです。
 「ひとりではできなかった。家族の応援や、家族ごと見守ってくれる温かいお客さんのまなざしがあったからこそ、これまでやってこれました。」と感慨深げに微笑む岡本さん。柔らかな日の光と緑が溢れるこの空間には、訪れた人が思い思いの時間を過ごせる穏やかな時間が流れています。







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